2015年9月26日土曜日

一日9時間授業デビュー!

土曜日は一番学習者が来やすい曜日で、授業が集中します。
これまでローカルの先生が来て、午前中に3クラス開けられていたのですが、もう一つの仕事で土曜来られないことが多くなり、友人と私の2人でなんとか回さなければいけなくなりました。

それでスケジュール調整をしたところ、私は9~12時、13~16時、16時半~19時半の3時間×3クラス、つまり9時間授業をすることに。

これまでの教師歴の中で、最長8時間(しかも2時間は日本語クラスではなくて養成講座クラス)というのはありましたが、9時間は史上初。
今週から受け持つクラスもあり、クラス運営を考えたり準備に追われたり、結構ドキドキが続いていました。(おかげで夜眠れなかったり、ストレスがたまったときに目の周りが腫れるヘルペスと思われる症状が出たりしました。)

1クラス目。
今日から担当するクラス。
このクラスがいちばんビビっていましたが、初日でやる内容も前回までのやり残しをさらうようなものだったので、そんなに負担にはなりませんでした。
むしろこのクラスの学習者たちは、課題さえはっきりしていればほっといても自分でどんどんタスクを進めることができる自立したタイプの人たちだったので、逆にラクちんでした。わからない言葉は自分で調べ、忘れた文法も自分で調べ、習ったと思う漢字は調べ、それでもわからなかったり疑問に思ったことは質問してきます。自習に慣れているし、地頭がいいんだと思います。

2クラス目。
ここはいつも癒しのクラス。前半は復習や残ったものの消化で、後半はテストだったので、ここもそんなに大変じゃありませんでした。(語彙テストの点数が大幅アップし、伸びを実感。)
でも、このクラスの休憩のとき、「これでやっと半分か・・・」と少々疲れを感じました。

3クラス目。
今まで午前に担当していたクラスが、こちらに移動。
今日はテストを返して直しをしてもらい、あとは会話の練習でCD操作と話しをしてもらうだけでよかったので、これもそんなに大変じゃありませんでした。特に、最後にお題を次々変えて、ペアも次々に変えて会話練習をしてもらったのですが、そこでみなさんが自由に楽しそうに話しているのを見て、こちらも楽しくなりました。今までと違う視点をもらったりもして、収穫多かったです。

このように、初日の9時間は学生主体でこちらがたくさん話さなくていい授業ばかりだったので、思ったよりいけました。大丈夫でした。
でも、普通は文法の導入や練習がメインの授業なので、もっとしゃべらなくちゃいけなくて、今日のようにはいかないと思います。

これから2か月は毎週土曜は9時間授業が続きます。
デビューはまずまずでホッと一息。フー
はてさてこれからどうなることやら・・・

2015年9月24日木曜日

本日のクラスのワンシーン 2015/9/24 追試だけど100点とれた!

各課ごとに課テストをしています。
文法テスト(漢字含む)と語彙テストがあり,私はいつも同じ日にまとめてしています。

ロベルトさんは,語彙テストで合格基準に届かず追試になってしまいました。語彙を覚えていないわけではなくすべて答えは書いていたのですが,表記(ひらがな)にまだ難ありで,それで減点が募っての赤点でした。

本日追試をしたら,なんと100点!
私もこれにはビックリ。本人もガッツポーズで喜んで,二人でハイタッチしました。

この学習者,スローラーナーなんです。
本当によく勉強したんだと思います。すごい!
最近,前より勉強に対する姿勢が変わってきたように感じていたのですが,やっぱり。。。

この結果で,さらにモチベーションが上がることでしょう。
学習者のこういう成長が見られるから,教師って楽しくてやめられないんですよね~(^-^)☆

2015年9月19日土曜日

本日のクラスのワンシーン 2015/9/19 自立した学習者とはこういうこと

今日は上級クラスになってから、初めてのテストでした。
前の課を勉強してからだいぶ時間がたってしまって、覚えているかどうか不安だったのですが、結果を見ればよく勉強しているかしていないか一目瞭然。
上級ともなると、一夜漬け丸暗記で何とかなるレベルではないですからね。
範囲もちょっと広めだし、漢字もふんだんにあってルビふってないし、大丈夫かな~とちょっと心配だったのですが、やっぱアレですね。ほっといてもやる人はやるんですね。

テストのあとは、ちょっと普段と違う活動を取り入れてみました。
宿題で出していた作文を回し読みして、感想を言い合ったり文法的な間違いを直す活動と、同じテーマの読解教材を読んで、それについて意見を言い合う活動をしました。

やる気のある学習者たちはきちんと作文を書いてきました。まず、それがすごい。
そして、作文の構成はこちらでアウトラインを作って渡しておいたのですが、構成メモからばっちり書いていました。作文で使っている表現も習ったばかりの表現をできるだけ使おうという姿勢が見られました。
やっぱり自立した学習者というのは、ほっといても習った文型を使おうとするんですね。

その後の読解からの話し合いでは、なかなか思うように言いたいことが言えなかったようですが、持っている知識を披露する場面も見られ、それによって話し合いが深まりました。
やっぱり、人っていうのは物を聞いたり読んだりするとき、既存の知識と結び合わせて理解を深めるというダイナミックな活動を脳内で行っているんですね。

まだお互い遠慮があって、そんなにつっこんだ意見やコメントは出なかったのですが、それでも日本語だけで表現しようとがんばっていました。

ペルーという日本語を必要としない地で、ずーーっとここまで日本語を勉強し続けてきた人たち。
そのやる気と向上心、あなどれません。

2015年9月16日水曜日

クラス統合計画と目指すところ

最近、クラスの統廃合計画がにわかに持ち上がっています。
私の勤務先は日本で言えば英会話学校のようなもので、生徒さんは学校や仕事の合間を縫って来ています。
日本語学習のモチベーションは様々で、家族や知人などを頼って日本へ行くことが決まっている人、奨学金を得て日本へ行きたい人、訪日予定はないけど日本好きだし時間あるから来ている人、訪日経験があり日本語を忘れないために来ている人、などがいます。

時間がある人はいいのですが、仕事が忙しくなったり、大学生なんかだと時間割が変わったりして来られなくなることもしばしば。もちろん、見事に「日本へ行くことが決まった」ということで来なくなる人もいます。
ということで、一人減り、二人減り、だんだん少人数クラスが多くなっているのが現状で、こちらとしてはAとBを合体させたい、CとDを合体させたい、となっているところです。


それと同時に、目下課題となっているのがカリキュラム作成。

例えるなら登山ですかね。
私たち教師はガイド。手を引いたりちょっと前を歩いたりして登山者(学生)を案内していきますが、ゴールや途中の通過(休憩)ポイントが定まっていないと、どの道を選んで、どんなペースで進めばいいのか、今どのぐらいの地点にいて、どの山の頂上を目指せばいいのかがわかりません。
目指すゴールやルートが違えば、必要になる道具も違いますし、ガイドの役割も変わってきます。
なだらかだけど距離が長いコースか、急勾配の最短コースか、中間か。
植物や花を楽しみながら行ってもいいのか、それよりもひたすらゴール目指して登り続けるのか。
登山者のペースに合わせるのか、ガイドがペースを作るのか。
途中の通過ポイントを通るとき、何ができるようになっていないといけないのか。
AとBのグループが一緒になったとき、または新しく加わりたい人がいたとき、登山能力や好みの登り方に差がないか。あったらどうするか。

ここに来て3か月、私はこれがはっきりしないまま教えていました。
でもこれからは、これらがはっきりすることで自分がどんなガイドになってどこに向かうべきかがわかると思います。
これまでもし希望と違うガイドだったとしたらごめんね~!
テヘペロで許してもらうことにして、これからがんばります!(前向き)



2015年9月12日土曜日

本日のクラスのワンシーン 2015/9/12 頭の中は話したいことでフル稼働

生徒も私もクラスやお互いに慣れてきて、最近はいい感じに緊張感がゆるくなったように思います。私はそれと同時に、生徒の様子を少し離れて観察できるようになりました。

最近クラスで感じるのは、学生の頭の中では表に出ないだけで、いろーーーんな事象が結びついていたり、言いたいことをどうにか言えないかとフル稼働しているということ。

例えば今日のクラスでは「~と言っていました」の復習の後、「~についてどう思いますか」と「~のが上手です」をやりました。

くまさんの自由質問:(合気道をやっているトニーくんに向かって)合気道についてどう思いますか。

トニーくんはそれに対する答えを何かしばし考えた後、「先生、二つの文をつなげるときはどうしますか」と質問。私が「”て形”を使うよ」というと、「そうじゃなくて、反対のとき」。それで「”~ですが”を使うよ」というと、ようやく「合気道はスポーツじゃないですが、いい武道だと思います」と答えました。

ちょっと意外だったのですが、質問したくまさんと何やらスペイン語で話し、二人の間では言いたいことが共有された模様。そして質問したくまさんに「あなたは(合気道について)どう思いますか」とトニーくんが質問し返したところ、それに対する答えは「filosófico, profundo y tiene muchas significados...(たぶん)」でした。
どうやらくまさんはメンタル的なことを言いたい様子。
それについてスペイン語で二人で意見を確かめ合った後、私に向かって「今言ったことを日本語ではどう言いますか」と質問してきました。
私は「哲学的(な形容詞)、深い(い形容詞)、たくさん意味があります」と答え、「これをて形でつなげれば言いたい文になりますよ」と言いました。
既習事項なので「Como era?(なんだっけ?)」を連発しながらなんとか「哲学的で、深くて、たくさん意味があります」と一文にしたあと、満足げにメモメモ。

ほかの練習では「○○さんはどんな人が好きだと言っていましたか」で元クラスメートとの会話を思い出し、何か言いたげな様子。そして「先生、はっきり覚えてないから、”~と思います”と一緒に使ってもいいですか」と聞いてきました。私は「もちろん!」と言い、「”~と言っていました”+”~と思います”」と板書。そして、両方の”と”の前が普通形になることを確認しました。
するとその生徒は「親切な人が好き…だ…と言っていました…言っていた…と思います。」
と、なんとか一文にすることに成功。私がルールと共に書いた板書をメモメモ。

なんか、語学の勉強って、こういうことなんだな~。としみじみ思いました。
言いたいことがある。
それを伝えるために言葉や文法を習う。
「言いたい!」という気持ちが学習を促進させる。
モチベーションになる。

このクラスの学習者たちは、既習文法に未習語彙を入れて、習ったことを使ってなんとか話そうとするタイプで、教師的には好ましいタイプです。

でも学習者の中には、言いたいことがあるのになかなか口から言葉が出てこない生徒もいます。知識が運用につながらないタイプ。一つの文を言うのにものすごく時間がかかって、正直待つ時間が長くなって授業の進行上困ってしまうことも。
でも、その子の頭の中もきっと同じように言いたいことをどうやって言ったらいいかフル稼働しているはず。

はたまた、言いたいという気持ちが先走って、文法も語彙もめちゃめちゃに話す生徒もいます。このタイプはあまり「お勉強」が好きではないから文法や語彙がしっかりしていないことが多く、「私の言いたいこと、わかるでしょ!?」と強気なことが多いです。こちらは言いたいことがよく分からないし、それが判明するまで質問し続けると時間がかかるので、こちらのタイプも正直困ります。
でも、その子の心は「今これが言いたい!」という気持ちで満ち満ちているはず。

いろんなタイプの学生がいます。
どのタイプの学生にも共通しているのは「今これを伝えたい!」という衝動があるということです。

私は教師として、その気持ちをどれだけ殺さないで生かせているのか、言いたいことがうまく言えなくてもどかしい気持ちをどれだけサポートできているのか。「困る」とか言ってる場合じゃないです。
もしかしたら、教師である私が不用意な言葉や態度でその気持ちをしぼませてしまっていることもあるかもしれません。
言いたいことをこちらが引き取って全て(正しい文にして)言ってしまうのもその子の日本語力向上のためになるとは思えませんし、かと言って、自力できちんと意味が分かる文が言えるまで待つのも時間がいくらあっても足りません。すべてのタイプに気づきと自信を持たせることができたら、それがいちばんいいと思うのですが、まだどうすればいいのか模索中です。

答え探しは当分続きそうですが、そういう気持ちを持って授業に参加してくれている生徒たちに感謝です。

2015年9月11日金曜日

成長はpoco a poco(ポコ・ア・ポコ)

ヨガに行く前にスペイン語の勉強をするようになって1週間ちょっとすぎました。
今のところ続いています(^^)
水曜の夜は、居候先のご主人のところに友人が来て一緒に日本語を勉強しているので、私もそこに便乗してスペイン語を勉強することにしました。
スペイン語の勉強生活が充実してきました(^^)

そして気づいたことは、なかなか覚えられないということ。
一つのことを完全に習得する(自然に使えるようになるまで)どれだけの時間がかかることか。たとえばいくつか単語を覚えたはずが、ちょっと違うことをしている間に忘れています。数日放置すれば80%ぐらい忘れています。語形変化や文法は覚えたはずだと思ってもすんなり口から出てきません。
友人たちを見ても、漢字の復習をしていて、やっぱりずいぶん前に習った基本的な漢字で忘れてしまっているのもあり、「ああ、そうだった!」なんて言いながら書いたり読んだり意味を調べなおしたり。
学生も一回覚えた言葉をまた忘れたり、助詞も毎回聞いているのに間違えたり。


みんな同じなんですよね。
成長(=習得)は日々少しずつ。やっては忘れ、やっては忘れ、少しずつ忘れることが減ってきたらちょっと進んで、また覚えては忘れ、その繰り返し。

ヨガでも同じことを言っています。日々ポーズや瞑想を繰り返すことで、少しずつ肉体もメンタルも磨かれていくんだそう。
よくあるたとえで、らせん階段を登るようなものだと言われますが、本当にそうだと思います。同じところをグルグルしているだけで登っている感覚がなくても、コツコツ続けることで確実に少しずつ上に向かっていくのだそうです。

ヨガも語学も同じ。
少しずつ着実に歩みを進めて、ちょっとした気づきやコツを得て前に進んで、また少しずつ。
poco a poco。
大切なのは、やめないこと。やめたら現状維持どころかマイナスになってしまいますからね。
途中でやめたり、いいわけしたりしないで、毎日少しずつ、かめさんの歩みを進めて行こうと思います。

2015年9月3日木曜日

世界はどこかでつながっている

火曜と木曜のヨガのクラスでいつも一緒になるセニョーラたちが何人かいます。
今日のヨガのクラスが終わった後、一人のセニョーラが「日本のどこの出身?」と聞いてきました。 私が出身県を答えると、なんとその方のご主人が文科省の奨学金で私の地元の大学に留学し、博士号を取得したことが判明。彼女も同伴してそこに数年住んでいたそうなのです。

しかも、そのセニョーラの息子さんが、日本語能力試験N3を受けたがっている、とのこと。 私が日本語教師として働いていて、学校でN3を担当しているというと、「もしかしてその学校って○○?」と、私の勤務先の名前を言ってきました。大手の学校ではないので、知っているなんてビックリです!!
 「じゃあ、息子さんよこしてね!」なんて言って、帰宅してから友人にその話をしました。

息子さんの名前を聞いていたので友人にその名前を告げると、なんと、その子は数年前にこの学校の生徒だったというではありませんか!
だから学校の名前、知ってたんですね~。

私はお母さんと知り合いになり、友人は息子さんと知り合ってました。 さらに共通の知り合いもいることが判明しました。
私はここに友人以外の知り合いもなく、単身やってきたのですが、こうして世界はつながっていて、人と人とはつながっていって、私もその中にちゃんといるんだな~、としみじみ感じてしまいました。
 
どんなお仕事でもそうですが、同じ業界にいれば共通の知り合いがいることって多いですよね。 悪いことできませんて、ホントに(笑)

そういえば昔、ねずみ講式に自分の友達を6回人に紹介したら世界中みんな友達になる、って話を聞いたことがあります。

知り合いの知り合いは知り合いだった、なんて、実は知らないだけで、そこらじゅうにあるのかもしれません。
人と人とのつながりの不思議さ、おもしろさを感じた出来事でした。