2015年11月27日金曜日

恩師の教え

こんにちは。さすらいの日本語教師です。
本日も当ブログにお越しくださいまして、ありがとうございます。


私はJICAの青年海外協力隊として2007年から2009年までコスタリカに、そして2010年から2011年までパナマに派遣されていたことがあります。(詳しくは別ブログ「世界をさすらう日本語教師の日々」をご覧ください。)協力隊に参加できたこと、そしてコスタリカやパナマと言ういわゆる孤立環境で、必ずしも必要とされない日本語を楽しそうに学ぶ学習者と出会えたことが、私の日本語教師としてどう進むかの方向付けにもなった重要な分岐点だったと思っております。

それは、ある一人の恩師との出会いを抜きには語れません。
その方は、JICA日本語教師の技術顧問をされています。
もうそれはそれは、放つオーラが圧倒的に違うお方でした。
同じ空間にいるだけで、心がほ~んわかして、自分を認めてもらえてるように感じれて、お話を聞いているだけで涙が出てくるんです。
人間力、ハンパない。

そんな先生が、ついにご退官なさるときがきたと、日本にいる同志が知らせてくれました。
今年は協力隊発足50周年ということもあり、歴代日本語教師隊員約130名が、ご退官の集いに参加されたそうです。
私も日本にいたらぜひとも出席したかったです~(T_T)
これから、例えばまたJICAボランティアに参加したとしても、もう研修で先生にお会いになることはないのかと思うと、寂しくて寂しくてたまらなくなりました。

でも、今日の私があるのは先生のおかげと言ってもいいくらい、私の心には、いつも先生の教えがあるのです。

たとえば、私が自分の活動拠点を日本ではなく、海外に決めたのは、孤立環境にある学習者の役に少しでも立ちたいと思ったからで、それも先生の教え。

たとえば、日本語教師としての「さしすせそ」を教えてくださったのも、先生でした。

協力隊から帰ってきて、調子づいていた私が「私はこれからもボランティアとして生きていきたい。お金のためになんか働きたくない」と言ったことに対して「本気でボランティアでやっていきたいと思うなら、まず自分の生活を支える収入源をどうやって確保するか考えなさい。自分で自分のことがちゃんとできて初めて、そういうことが成り立つのですよ。」と優しく諭してくれました。自分の思い上がりと甘さを知った瞬間でした。

それから、大学院に進み、選んだ研究テーマも、結局先生から教わったことが元でした。

面倒くさがり屋の私が、毎年必ず年賀状をお出しする数少ない方々のお一人です。
それぐらい私にとって義理を欠いてはいけないお方だと思っております。
その年賀のつたない挨拶に、何倍もの量で暖かいメッセージをお書きくださったり、時には「これ読んでごらん」といくつかご著書や記事や推薦図書などを添付してくださったりもしました。
協力隊を離れてもなお、現在に至るまで、私の心のそばには先生がいらっしゃるのです。
今でも「先生にお見せして恥ずかしくない授業ができているか、恥ずかしくない教師に成長できているか」と、いつもどこかで思ってやっています。
先生、私、「いい教師」になれていますか?

最後に、協力隊時代にいただいた先生も大好きな谷川俊太郎さんの詩をご紹介します。
「初心忘れるべからず」。暴走しそうになる私に初心を思い出させてくれる、大切な詩です。


『若さゆえ』
                          谷川俊太郎

差しのべられた細い手
助けようとして君は助けられる
その手に
求めてやまぬひたむきな心
教えようとして君は学ぶ
その心に

(中略)

若さゆえありあまるきみだから
目に見えるものを与えることは出来る
だが目に見えぬものは
ただ受け取るだけ
それが何よりも大切なみやげ
きみの明日


これから先もずっと、先生の教えを胸に歩んでいきます。
先生、本当に長い間、お疲れさまでした。
これからも末永くご指導の程どうぞよろしくお願いいたします☆


【追記】先生は2016年3月末までご在任だそうです。







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